異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
「そういえば、モニタリングシステムの起動がやけにタイミングよかったんですけど、マスター命令で通信が遮断されてたのにどうやって私の行動を把握してたんですか?」
「あぁ、外にある防犯カメラの映像を追ってたんだ」
お茶を配って回っていたロティが、班長の隣でにこにこしながら答える。
「私が捜査に協力しちゃいましたぁ」
なるほど、コンピュータ頭脳のロティなら、ターゲットを見失うことなく素早く対象のカメラを切り替えながら追跡するのは簡単だろう。
それにしても、断られるのをわかっていながら、毎度めげずに班長にお茶を配るんだなぁ。立派だ。
って、えぇ!? 班長がお茶を飲んでるよ! いつから、どういう心境の変化で!?
凝視するオレの視界を遮るように、わざとらしく身を乗り出したフェランドが、さらにわざとらしく話題を変えた。
「そうだ、シーナ。来週からおまえに後輩ができるぞ」
「後輩?」
「おまえの功績が認められて、もう一体ロボット捜査員が配属になるんだ。おまえに負けず劣らず超高性能なバージュモデルだぞ」
「へぇ、そんなに予算がついたんですか」
超高性能なバージュモデルって、家が一軒買えるくらいお高いんじゃなかったっけ? お偉いさんに風紀がどうこうと言われたオレの功績が認められたにしては、ずいぶんと思い切りよく太っ腹だな。