異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
感心するオレを見ながら、フェランドは苦笑する。
「いやぁ、中古品なんだよ。超高性能には違いないが、いらないから引き取ってくれって言われて超破格値」
「そうですか」
ようするに廃品回収品。中古じゃないだけで、オレもにたようなもんだけどな。もっと功績を挙げなきゃ予算を確保するには至らないってことか。
てか、超高性能のそいつが使える奴だったら、そのうちオレの方が廃品になってリズに回収されるんじゃないか?
転生してまで営業成績上げて、リストラの恐怖と戦わなきゃならないのか。余命宣告より厳しい気がする。
内心げんなりしているオレの横で、フェランドはお約束通りシャスに声をかけた。
「よかったな、シャス。これでおまえは押しも押されもせぬ”先輩”だ」
「フェランドさん!」
あぁ、予定調和。
「こら、おまえら! 無駄話してる暇があるなら訓練に行ってこい」
「はい」
こちらもお約束の班長の怒号。ふと見回すと、まわりにはロティの他に誰もいなくなっていた。
え、てことはまた班長とふたりきりで事務室待機?
条件反射で緊張するけど、オレは国立図書館の本を読んでいればいいんだよな。
二課長から指定された席に着こうとしたとき、班長が制した。
「シーナ、おまえも行ってこい」
「え? 私はなんの訓練をすればいいんでしょうか?」
新しい捜査機器でも導入されるんだろうか。
「フェランドが言ってた新人ロボットの教育訓練が来週から始まる。おまえにはそれをサポートしてもらう予定だ。教える立場で学んでこい」
確かに、絶対命令があるから人間相手だとできない訓練もあるしな。オレの時はしっかり見て記憶して、あとは実戦で覚えろって無茶言われたっけ。
「了解しました」
返事をして事務室を出たオレは、先を行くフェランドとシャスの後を追った。