異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
リズは楽しそうに目を輝かせた。
「あ、シーナ、帰ってたの?」
「うん。昼だし」
「あれ? そうだった?」
「もうずいぶん前にチャイム鳴ってた」
「そう。それより、調整が済んだわよ。午後から訓練に入れるわ」
「じゃあ、班長に連絡しなきゃ」
「そうね。その前にあなたに紹介しておくわ。ダレム、こっちにいらっしゃい」
「はい」
あ、男か。たぶんそうだとは思ってたけど。落ち着いた感じの若い男の声。でもこの声、聞いたことあるような……。
そう思ってメモリから探り出した記憶がヒットするのと、ロボットの姿が現れるのがほぼ同時だった。
アッシュブロンド短髪、アイスブルーの瞳。スラリとした長身に警察局の制服をまとったそいつは、紛れもなくグリュデの秘書をしていた軍事用ロボットのヴァランだ。
ヴァラン改めダレムはにっこりと微笑んで挨拶をした。おぉ、今度はちゃんと目が笑ってるよ。
「はじめまして、シーナ先輩。ダレムと申します。よろしくご指導お願いします」
「よろしく。あと、先輩はいらないから。シーナでいいよ」
「はい。シーナ」
なんと素直ないい子になったことか。
グリュデが自慢するほど超高性能なバージュモデルなのに、科学技術局も厄介払いしたかったんだな。
でもあいつの秘書で終わるより、警察局の方がヴァランの特性的には性に合ってるかもしれない。