異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
「シーナ、これホントおいしい」
「だろー?」
上機嫌なリズに釣られて、オレも上機嫌に自慢する。アイスに酒をかけただけだけど。
てか、テンション高すぎじゃね?
よく見るとさっきよりリズの目がトロンとしている。慌てて生体反応を確認する。
やべぇ。結構酔ってる。
「リズ、酒弱かったの?」
「えー? よくわからない。飲んだことないし」
「は? 職場の飲み会とかないの?」
「なに? それ」
どうやら日本の職場には付き物の「飲み会」がクランベールの職場には存在しないらしい。警察局が特殊なのか、他の企業もそうなのかは不明だけど。
アルコールデビューだとわかってたら、もっと弱い酒にするんだった。
ネットの情報でそれっぽい酒を頼んだけど、濃厚な酒は甘くてもアルコール度数が高かったりするのだ。
オレは席を立ちリズのそばに行って顔をのぞき込んだ。
「ごめん、リズ。酒飲んだことないって知らなかったから、結構強い酒使ってた。体は大丈夫? 気持ち悪いとか頭痛いとかない?」
リズは一層楽しげに笑いながらオレの腕をポンポン叩く。
「ううん。すっごく楽しくていい気分。うふふ」
そう言ってオレの腕に自分の腕を絡めて、頭をもたせかけた。