異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
「ふふ。おいしい料理と最高のデザートをありがとう、シーナ。大好きよ」
相当酔ってるだろ、これ。
生体情報では完璧に酔ってるし。
「リズ、とりあえず水を飲んで」
「うん」
オレが差し出したグラスをにこにこしながら受け取って、リズは素直に口にする。
アイスにかけただけだからひとくちかふたくち分しかなかったはずだけど、こんな見事に酔っぱらうとは。
グラスの水を飲み干して、リズはトロンとした目でオレを見上げた。なんか色っぽい。
「少し横になってたら?」
まだ上機嫌なうちに少し眠った方が酒は抜けやすいだろう。そう思って提案したのに、リズは不服そうに口を尖らせる。
「えー? まだ眠くないわよ」
「いいから、あっちのソファで横になってろって。オレ、その間に片づけてくるから」
続き間になってる隣のリビングにあるソファに目をやって、リズは渋々頷いた。
「わかった。そうする」
立ち上がった途端に足元がふらついている。強めの酒だったけど、たったふたくち程度でここまで酔うって初アルコールだったからか、元々激弱だったのかはわからないけど、お得だな。