異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
班長は早速オレを介してリズにメッセージを送った。
「リズ、産業振興局からカベルネの登録情報を入手してくれ。ヒューマノイド・ロボットの所有数が知りたい」
やはり班長もオレと同じ事を思ったようだ。カベルネが盗まれたのは、充電器ではなくロボット本体ではないのだろうか。
ヒューマノイド・ロボットの価格は充電器などの比ではない。それを盗まれたのに警察に知られたくないということは、何か後ろめたいいわくつきのロボットなのだろう。
リズから返信が来た。
「今、ちょうどガリウスさんからカベルネの付近や関係者の捜査情報が来ました。そっちにも行くと思うけど、念のために転送しますね。産業振興局の登録情報も含まれています」
ほどなくリズから情報が送られてきて、オレの記憶領域に展開されていく。班長も同じものを受け取ったようだ。情報端末から視線を上げた班長が、店主に尋ねる。
「盗まれた充電器がどこにあったのか、見せてもらえますか?」
「えぇ。こちらへどうぞ」
これは想定していたのだろう。店主は落ち着いた様子で先に立ってオレたちを促す。
店主について事務室を出たオレたちは、すぐ隣の部屋に案内された。
そこは細長い部屋で、入り口から見て左右の壁には円柱を縦に割ったような形の充電器がずらりと並んでいる。それぞれに女性型ヒューマノイド・ロボットがスタンバイモードでケーブルに繋がれていた。
さきほどお茶を淹れてくれた彼女も、左手一番手前の充電器に収まっている。いずれ劣らぬスタイル抜群の美女揃いで、みんなセクシーな衣装を身につけていた。
ずらりと並んだ美女たちの一角がぽつんと不自然に空いている。右手奥からふたつめにあるその隙間を指さして店主が告げた。
「あそこにあった充電器がなくなったんです」
「なるほど」
班長は軽く頷いて、もう一度部屋の中をぐるりと見回す。そして店主に問いかけた。
「ロボットはここにあるだけで全部ですか?」
「はい」