異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
ここにあるロボットと充電器の数は一致している。けれどここにあるだけで全部だとしたら、産業振興局の登録情報とは一致していない。
班長は皮肉な笑みを浮かべて店主を見据えた。
あぁ、この顔はよく知ってる。オレにイヤミを言う時の顔だ。
「おかしいですね。ここにあるロボットは十二体ですが、産業振興局にあなたが登録しているロボットの数は十三体になっていますよ。あと一体はどこに消えたんですか?」
「あ、あぁ、それはっ……そう! 三日前に故障して廃棄処分にしたんですっ! 泥棒騒ぎで局への通知をすっかり忘れていて……」
咄嗟の言い訳にしてはうまいけど、それだけあからさまに動揺してたらオレじゃなくても嘘だってわかる。
店主の言い訳を丸ごとスルーして、班長は彼を諭す。
「もうごまかすのはやめませんか? 盗まれたのは充電器ではなくロボットなんでしょう? 盗品が発見されればいずれわかることですよ?」
「わ、わしは、ごまかしてなんか……」
なおも抵抗を続ける店主の動揺がピークに達したとき、班長に通信が入ったらしい。
「なに? ……そうか。わかった」
通信を終えた班長は、不敵の笑みを店主に向けた。
「さきほど持ち主不明のヒューマノイド・ロボットが警察に届けられ、製造番号があなたの持ち物と一致しました」
「え……そんな……」
呆然と目を見開く店主の背中に手を添えて、班長は部屋の外へと促す。
「局の方で詳しい話を聞かせてください」
店主は気の毒なくらいがっくりとうなだれて、おとなしく班長に従った。