異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました


 店の外で待ちかまえていたガリウス班の捜査員に店主を引き渡して、オレとラモット班長は来たときと同じようにエアカーに同乗した。
 エアカーが動き始めても、ラモット班長は仏頂面のまま無言だ。話しかけると怒られそうだし、ものすごく気まずい。
 いたたまれなくなって、窓の外に視線を移したとき、隣で班長がボソリとつぶやいた。

「今日は、よくやった」
「え?」

 それってオレのこと? え? もしかして、ほめられた? 班長が大嫌いなオレを? えぇっ!?

 呆気にとられるオレを見て、班長が思いきり不愉快そうに顔をしかめる。
 あぁ、いつもの表情だ。

「なんだ、その顔は。オレが好き嫌いで部下の功績を正しく評価できない奴だとでも思ってたのか」
「いえ、そんなことは……」

 ちょっと思ってたけど。

「おまえのような使えないポンコツには、めったにあることじゃないんだ。素直に喜んでおけ」
「はい。ありがとうございます。お役に立てて光栄です」

 天使の微笑みを最上級で返すと、班長はフィッと顔を背けた。

「調子に乗るな。ロボットが嫌いなことに変わりはない」


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