異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました



——緊急指令。少女誘拐事件発生。被疑者はラフルール第二居住地区にて少女と共に潜伏している模様。ヒューマノイド・ロボットが関与している疑いあり。特務捜査二課の各捜査員は直ちに現場に急行してください。


 指令を聞きながらリズが素早くコンピュータを操作し、オレに繋がった二本のケーブルを引き抜く。
 立て続けに仕事が入るとは、ついでに充電していてよかった。
 オレは腰まで下ろしていた制服に袖を通しながら尋ねた。

「現場に急行って、オレも?」
「たぶん出動することにはなると思うけど、とりあえず一緒に事務室に行きましょう。二課長かラモットさんから指示があるはずよ」
「了解」

 備品のオレは命令なしに単独で捜査行動をとることは禁じられているのだ。
 リズと一緒に研究室を出て、廊下を歩いているとラモット班長から直接頭の中に通信が入った。

「緊急指令が出てると思うが、おまえも出動だ。事務室にシャスが待機してるから合流して現地に向かえ。場所と事件の詳細はメッセージで送る。来るまでに確認しておけ。指示は全員が現地に集合してからだ。急げ」
「了解しました」

 班長の命令を受けて、オレは自然と早足になる。一緒に速度を速めながら、横からリズが顔をのぞき込んだ。

「ラモットさん?」
「あぁ。急げって言われたから、オレだけ先に行っていいか?」
「えぇ。じゃあ、私はこのまま通信司令室に行くから」
「わかった」

 リズと別れた後、オレは廊下を駆けだす。たどり着いた事務室の前では、すでに待ちかまえていたシャスがこちらに向かって手を挙げた。

「シーナ、早く」
「今行く」

 オレはシャスと合流し、一緒に現場へ急行した。


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