異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
「終わったよ。いくつか見つけたから確認してみて」
部屋の中に戻ったリズに発見した場所を告げると、彼女はさっそく戸棚の方へ向かった。やはりコンピュータ机の引き出しは対象外だったか。
オレの役目は終わったものと、リズに背中を向けて書棚の本を物色していると、いきなり無防備になった背中を叩かれた。途端に覚えのある痛みが走る。
「シーナ、悪いんだけどこれ……」
「いてーって! そっちから近づくのなし! なんの拷問だよ」
ムッとしながら距離を取るオレに、リズは笑いながらメモリカードを投げてよこした。
「ごめーん。それ、ロック解除してくれる? アクセスは許可するわ。パスワードは五桁で数字と文字の組み合わせよ」
「了解。中身はオレが見ても大丈夫?」
「問題ないわ。じゃあ、もうひとつもお願い。私はあっちのコンピュータにある奴を念のため確認するから」
そう言ってリズは、もうひとつのメモリカードをオレに投げ渡して、コンピュータの方へ行ってしまった。
渡されたカードにアクセスを試みる。最初に渡されたカードはロックがかかっていなかった。
記録内容を確認すると、ざっと見た感じは研究資料のようだ。だが、内容と年代別に整然と並んだ資料の隙間に隠しフォルダが挟まっているのを発見した。
日付は今から九十年前で、フォルダ名は「ランシュの宝物」。なにやら意味深。
バージュ博士の宝物となると、やはり人格形成プログラムのソースコードではないか?
はやる気持ちを抑えつつ、フォルダ内のファイルを開く。
あれ? これって……。