異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました
灯りを落とした会議室の白い壁に、少年の映像が映し出されている。
プラチナブロンドにブルーグレイの瞳、中性的で華奢な体に警察局の制服を着た少年は、エアカーも追い抜くほどの猛スピードで走り、自分の体よりも大きなエアバイクを軽々と持ち上げて放り投げていた。
ゆったりとした椅子に腰掛けて映像を見つめていた男が、隣に立って映像を操作している男に問いかける。
「これはロボットか?」
「警察局が対ヒューマノイド・ロボット犯罪用に導入したプロトタイプだそうです」
映像が切り替わり、先ほどの少年が小柄な赤毛の女性と並んで商店街を歩いている姿が映し出された。
「開発者はレグリーズ=クリネです」
「レグリーズ。フェティ=クリネの養女か」
大写しになった少年の顔を見て、椅子に座った男は小刻みに頷く。
「なるほど、それで。この顔は彼にそっくりじゃないか」
「はい。あるいは、このロボットが……」
ふたりの男たちは顔を見合わせて、頷き合った。