あたしは兄を探しています。
茜ちゃんと龍司くん。
ギイィィ…
鈍い音を立てながら、扉が開く。
誰も近寄らない、誰も入れない。
あたしだけの秘密の場所。
屋上。
「ん?」
扉を閉めて鍵を閉める。
誰もいない筈なのに、アスファルトに仰向けに寝ている誰かがいた。
白に近い金髪。
そっと、あたしは歩きながら近付く。
そして白に近い金髪の前にしゃがみ込む。
「…リュウ君」
あたしは呟いた。