あたしは兄を探しています。
「じゃあ、俺らも教室戻ろうか」

「そだね。サク、鍵宜しくねー」

あたしとリュウ君は立ち上がって、屋上から出る準備をする。
サクは寝ながら右手を挙げてダルそうにブラブラと手を振った。



バタン



「茜ちゃんもそうだけど、咲也もマイペースだよねー。自由っていうか」

「んー、あたしは違うけど、サクは確かにマイペースだよね。自己中っていうか何というか」

「えっ!(まさかのそれを茜ちゃんが言うのか…)」


物凄くビックリされた。
何の驚きだ。失礼だなコノヤロー。


でもリュウ君は、キラキラと眩しい笑顔であたしを見て「やっぱり、いいね茜ちゃんは」って言った。
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