あたしは兄を探しています。
ガラッ
と、教室の後ろのドアを開ける。
いつもと同じように、教室にいた全員がこっちを見る。見ながらコソコソ話す人達もいる。
もう慣れてしまったけど。
そんな事は気にせず、リュウ君も「また休み時間にね」と笑って自分の席へと戻っていった。
その姿を見ながらあたしも自分の席へ行く。
席に着いたと同時に先生が入ってきた。
5時間目が始まる。
お腹いっぱいになったから、眠いなー。
そんな事を思いながら、窓の外を見る。天気も良いし余計眠くなるっつーの。
ふと何かの視線を感じた。
何だろうかと思い、目だけを動かして視線を感じる方へと向ける。
“お姫様”があたしを見ていた。