28才の初恋
……なーんて事が起これば良いなあ。

 全ては私のお昼のひと時の妄想なんですよ!
 良いじゃないか!妄想くらい楽しんだって!!

 現実には、お昼休みの間ずっと私は一人で角煮サンドを貪りつつ書類を見てただけで。
 こういった『ささやかな楽しみ』でも無ければやってられない。

 自分の食事を終えて、時刻は昼休み終了五分前になっている。
 そろそろ課の皆もランチを終えてオフィスに戻ってくる頃だ。

 サンドウィッチの袋を捨て、机の上を片付ける。
 自宅は激しく汚れているが、やはり会社では上司なのだ。
 机の上は綺麗にしておかないと示しが付かない。

 大樹クンのこと以外は……ちゃんと公私を分けているのだ。
 エライでしょ?
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