28才の初恋
「戻りましたぁ」

 小島を先頭にして、課の皆がオフィスに戻って来た。
 口々に「あの店は当たりだったな」とか「明日はアソコの店に行ってみない?」などの話題を出している。
 まあ、休み時間終了と共に気分を切り替えてくれれば何の問題も無い。

……と、オフィスに戻って来る人の流れに――自分の目を疑うような光景が。

 アレ?アレレ?アレレレレ……!?
 眼をゴシゴシと擦ってみる。
 あれ?何度も眼を擦りなおす。

 おかしい……。幻覚だろうか?
 ランチから戻ってきた人間の中に……大樹クンが居るよ?

「い、池田クン? 皆とランチに……行ってたの? そ、外回り……は?」

 自分でも分かるくらい。
 オクターブが二つくらい高い、素っ頓狂な声が出た。
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