28才の初恋
 思いもよらぬ残業のおかげで、溜まっていた仕事もあらかた片付いてしまい。大樹クンからの連絡を待つ以外にやることが無くなってしまった。

 まあ、だからこそ人様には見せられないような小説を書いてしまったりしたワケなのだが……それにしても手持ち無沙汰だ。

 しかし、それでもいつ大樹クンから連絡があるかもしれないので安易にオフィスから離れることも出来ない。

 大樹クンが頑張っているのだ、上司である……(未来の)彼女(予定)である私も頑張らなくては女がすたるっ!!

……と、さっきから何度も気合いを入れなおしているんだけど……やっぱり遅いよね。

 待てば待つほど不安になってきてしまうというのは誰しもが経験のあることで。
 私もその例に漏れず、意味もなく不安に襲われてしまう。その結晶が先ほどの小説なわけで……。

――とりあえず……小説の続きでも書くか。
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