28才の初恋

　うーん、続きを書くとしても……どうやって展開させようかな？
　いくら作り話の中とはいえ……これ以上大樹クンが責められるという役にするのは偲びない。
　じゃあ、そろそろ攻守を交代させて、大樹クンを責め側にして書いてみようかね。

　ピルルルルルルッ！！ピルルルルルルッ！！

　不意にオフィスの電話が鳴り出した！
　こんな時間にウチの会社に電話を架けてくる人は滅多に居ない。
　この電話を架けてくるような人間は――大樹クン以外に考えられない！！

　素早く受話器を持ち上げる。
　結果はどうなった！？という気持ちも在るのだが……早く大樹クンの声が聞きたい！！

「お電話ありがとうございます、イズミ商事、営業課です」

　一応、万が一でも大樹ではない人からの電話だといけないのでマニュアルに従った電話の応対をする。