28才の初恋
　思えば、私の不運は後ろにギャラリーの変なオッサンが着いた、ということだろうか。

　洗牌を終えて、自分の手前にヤマを積む。
　配牌を終えて、ゲームスタート！
　この局が終われば今日の接待は無事に終わる……というところで私は異変に気が付いた！

――私の手牌が……すでに和がっている！！

　ここでマージャンに詳しくない人に軽く説明しよう。
　マージャンは四種類の役を組み合わせて、その役によって点数が変わるゲームだ。
　その組み合わせが難しいほど点数が高くなる。

　ちなみに、最初の牌が配られた時点で和がれる可能性は……ほとんどあり得ない。
　あり得ないからこそ『天和』というとてつもない点数が高い役に設定されているのだ。

　それが……よりにもよって接待マージャンのラストでやってくるとは。
　
――運が良いのか……悪いのか……。
< 174 / 518 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop