28才の初恋
 注文は私がイカの塩辛に鳥の唐揚げ、ナンコツ、水餃子、刺身の船盛、ミックスピザと軽い目に。大樹クンはシシャモとご飯って……その程度で足りるの?

「接待って気分的に疲れますね……」

 食べ物が出てくるまで、ビールで軽く乾杯しての雑談となる。
 大樹クンは接待をするのは今回が初めてだったようで、このような感想を抱いたようだ。

 初めての接待がこんな特殊な事情とは……ツイていない。ぜひとも私が個人的に大樹クンを接待してあげたいと思ってしまう。

 いや、今からでも私が大樹クンを接待しようか?
 アンナことやコンナことまで思いっきりサービスしちゃうよ?
 ご飯を食べ終わったら、私の家に来て個人的な接待を受けてみないかいっ!?

 と、思ったが止めておこう。
 いや、接待をしたいのはヤマヤマなのだが。
 
――さすがに……あの部屋を大樹クンに見せられない。
< 181 / 518 >

この作品をシェア

pagetop