28才の初恋
「な、何いってんの! 冗談言ってからかっちゃダメよー……」

 酔いだけではなく、顔がかなり熱い。
 これ以上嬉しいことを言われたら身体が熱くなって着ている服を全部脱いでしまいそうだ。

「いや、本当に! 俺、課長みたいな女の人がタイプなんです。初めて見た時から素敵だなー、って……」

 いや、これは夢だ!夢に違いない!!
 いかに酔っているからといって、大樹クンが真顔で私にこんなことを言うはずがない!

 夢ならば早く覚めて……いや、絶対に覚めないでくれ!!
 こんな夢を見続けれるならば、ずっと寝たきりでも構わないぞ!!

 しかし、夢の中でさえも邪魔モノが入るものだ。こんな素敵な雰囲気なのに、居酒屋の店員がテーブルにやって来た。

「すいません、ラストオーダーなんですけど」
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