28才の初恋
 夢の続きが自由自在に見ることが出来る道具って存在しないもんですかね?

 結局、あの良い感じの夢の続きは見られなくて。起きたらスグに出勤しないと間に合わないような時間で。
 枕の下の大樹クンの写真に頬ずりするのもあまりできなかったのが心残りで……あの夢が無ければ発狂しかねないところだよ。

 会社に出勤したらしたで、挨拶はしてくれるんだけど、大樹クンが視線を合わせてくれない……昨日の居酒屋で私、また何かしでかしたのだろうか?

 非常に気になるところだが……仕事だ!

 今日も桃代部長を接待しなくてはならないので残業が出来ない。
少しでも仕事を溜めないためにも少しでも多くの仕事を片付けておかなければ……!!
 そして、今日は昨日の夢を現実にしてみせる!!

……って、視線を合わせてくれないほどに何かをしでかした私の誘い……大樹クンが受けてくれるとは到底思えないんだけどさ。

――クスン。
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