28才の初恋
「じゃあ、行こうか!」

 気合いを入れて大樹クンに話しかける。
 勢いで乗り切れば何とかなるかな……と。

「あ。は、ハイ……」

 大樹クンは……やっぱり伏し目がちである。
 何だかどころではなく、避けられていることは間違いない?
 少し……ではなく、かなりショックが大きいが。それでも落ち込んでいられない!
 今夜の接待で、桃代部長だけでなく大樹クンの機嫌も取り戻してみせる。

――ポジティブシンキングで行くしかないっ!

 今夜の接待場所はキャバクラだ。
 良い女の子を付けてもらう為に、わざわざ予約を入れて早い時間から飲みに行く手筈を整えた。
 
 そういう環境ならば、桃代部長だけでなく大樹クンも楽しめるはず!
 まあ……大樹クンが他の女の子と話しているだけでも嫉妬しない自信はないのだけど。
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