28才の初恋
 これでは予定とかーなーり違うっ!
 接待しに来てるのに、相手を機嫌悪くしてどうするのよ!!

 席を立ち上がり、店員に女の子の追加を頼む。
 大樹クンに群がっている女共は目がハートマークになってて、こっちの言う言葉がまるで耳に届いていない。
 新たな女の子を調達して、桃代部長の機嫌を取ってもらわないことには……。

 三分後、店の奥から私たちのテーブルに向かって女の子が三人やって来た。
 店員に頼んだ女の子だろう。
 これで、これでやっと重苦しい空気から解放される!
 
……と、安心したのだが。

 新しくやって来た女まで大樹クンのところに行くとはどういうことなんだ!?
 女の子同士の隙間を縫うように、必死になって
名刺を渡してる場合じゃないだろうが!!

――ああ、桃代部長の額にハッキリ青筋が……。
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