28才の初恋
 私の愛弟子も、その手下も。非常に良く頑張ってくれている。

 テーブルの上には山のように積まれたフルーツに、わざわざ銀座で一番と呼ばれる寿司屋から取り寄せた特上の盛り合わせ、桃代部長が好きだという情報を聞いていたので取り寄せしてもらっておいたラフロイグの十二年モノ。

 これだけ集めればさすがに桃代部長もご機嫌のようだ。
 ニヤニヤとスケベ親父丸出しの笑いを出している。

「いやー、良い店だねー!!」

 接待を開始して三時間、やっと桃代部長からこの言葉を引き出す。
 これで接待は成功、という瞬間である。
 後はこの場で仕事に関する約束を簡単に取り付けておけば良い。

 口約束といえども、相手に金を出させて自分が楽しんでいるという弱味が出る。
 というか、そういう事が前提で接待したり、されたりしているわけだ。
< 202 / 518 >

この作品をシェア

pagetop