28才の初恋
「課長は、ウチの課長は優秀な人です。女だとか関係なく! お、俺の憧れなんです……そんな言い方は……」

 い、いやいや、そんな風に思ってくれるのはとても嬉しいんだけど。
 今はそれを言う場合じゃない!!
 他に誰も居ない場所で言ってくれれば、個人的に秘密のレッスンとか……って、そんなことを思っている場合でもない!!

 大樹クンを制止するために、周りを確認せずに一気に立ち上がり、制止をかける。

「い、池田クン!! 落ち着いて!!」
「アンっ!!」

 立ち上がると同時に感じた、グニっという何とも言い難い感触。それと同時に耳に届いた、何やら場違いな声。

 それと、皆の点になっている目。
 恐る恐る、皆の視線が集中している先に私も視線を移すと……私が思いっきり桃代部長のフトモモの上にヒールを乗せてしまっていた!!
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