28才の初恋
 あのゴタゴタが終わってスグに、私たちは店を出た。店を出る際、今回は私がやたらと店の女の子に引き止められた。

「感動しました!」
「師匠と呼ばせてください!」
「いつでもウチに働きに来てくださいね!」

 等など。褒め言葉なんだか良く分からない言葉をさんざん受け取って。
 支払い額も相場の十分の一に抑えられていた。

「今日は……本当に良い勉強をさせていただきました……!!」

 潤んだ目で、ママが私の手を強く握りながら領収書を渡してくれた。
持つべきものは良い後輩である。

「またご一緒させてください! お金は私めが出させていただきますので! いつでもお声をかけてください!!」

 潤んだ瞳で熱っぽく語る桃代部長をタクシーに押し込み、見送った。
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