28才の初恋
『タッタンタン♪タタタタ♪タタラッタラー♪』

 携帯から鳴り響いた、軽快な『ス○ランカー』の着信音。
 ゴミの山に音を反射させながら、部屋中に警戒なメロディを鳴り響かせていた。
 その音に気が付いて、二度寝から目が覚めた。

……時計にチラっと目をやると午後一時。

――せっかく気持ち良く寝てたのに……誰だぁ?

 モゾモゾとソファから這い出し、携帯の入れてあるカバンの場所へ向かう。
 本当は電話にも出たくないくらいに怠惰な気持ちでイッパイなのだが、『スペ○ンカー』の着信音は会社関係に登録してあるのだ。
 
――もしも、用件が急を要するものだったりするとマズい。

 ちなみに、他に使用している着信音は。
 趣味に付き合いがある友人からの電話だと『スーパーマ○オ』だったり。
 実家の家族からの電話ならば『パッ○マン』のテーマにしていたり。
 別れた昔の彼氏たちだと『大魔○村』だったりと色々と使い分けている。

 趣味が丸出しなのは気にしないでおいて欲しいところだ。
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