28才の初恋
「それくらいなら、お安い御用よ!」

 軽く、大樹クンからの頼みを受ける。
 これで休日も大樹クンと顔を合わせることが出来るならば、本当に安いもんだ。

 顔がニヤけまくるのが自分でも良く分かる。
 一仕事終えた後は……デートとか誘っても良いのかな!?
 『お疲れ様、軽くお茶とかどう?』なんて、お茶だけで我慢できなくなった大樹クンが私をお茶菓子の代わりに食べちゃうとか……!

 うん、休日でも私の妄想が止まることなんて無いんだ。
 世の中に絶対なんて言葉は絶対に無いけど。
 それでも私の大樹クンへの妄想が止まることなんて絶対に無いね!!

「ありがとうございます! じゃあ、今日中には発注書を完成させて、明日の昼頃には課長の家まで持って行きますね!」

 朗らかな声で大樹クンがそう言い放つ。
 ウンウン、大樹クンが喜んでくれれば私も嬉しいよ……って、今なんて言ったの!?
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