28才の初恋
 お風呂場ならば、どんなことになっても大樹クンが入ることはない。
 いや、お風呂を浴びなければいけないような状況になってくれるのも、かなり望むところなのだが……今回ばかりは涙を飲んで我慢しようじゃないか。

――思い立ったら即行動、である。

 リビングと浴室を、両手にゴミ袋を抱えて往復する。
 パンパンに詰め込まれたゴミ袋は重く、両手が攣りそうになりながら、それでも何とか頑張ってようやく全てを浴室に運び込んだ。

……危ないところだった。もう少しゴミ袋の数が多かったら、浴室に入りきらないところだった。
 作戦が成功したことに、ホッと胸を撫で下ろす。

 これで、後は掃除機をかければリビングの清掃は何とか終了、大樹クンを招き入れることがギリギリ可能なレベルになる。

――時刻は二三:〇〇、残り時間は……あと十四時間だ!

 頑張れ!私!!
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