28才の初恋
『グ……ギャアァァァッ!!』

 んんっ!?
 断末魔のような叫び声にも似た音を残して、排水口からヘドロが流れて行く。
 ど……どれが効果を発揮したんだ!?
 塩か?銀か?それとも……魔除けか!?

 と、とりあえず。
 まだ若干臭いは残っているものの、何とかヘドロは流しから姿を消した。

 『蠱毒(こどく)』というものがある。
 毒草や毒を持った虫、生物を一つの壷の中に放り込んで、強力な毒を造る呪術の一種なんだけど。

……それに似たようなモノでも知らずのうちに生成してしまったのだろうか?

 ま、まあ。発生理由はどうであれ……なんとか退治することが出来たのだ。
 深く追求するのは止めておこう。

 それよりも……今は掃除の続きだ!!
 得体の知れないヘドロに思わぬ時間を喰ってしまった。
 残りは後、九時間!早くしないと夜が明ける!!
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