28才の初恋

5-8

「あ、課長、これお願いします」

 玄関に入って来た大樹クンが、いきなり私に書類を渡してきた。
 電話で言っていた『アルファ文具店』用の商品発注書である。

 条件反射で書類にチェックを入れる。
 間違いは無いようである……単価も、個数にもミスは見付からない。

 さらに条件反射で、玄関先に置いてある印鑑を書類に押す。
 その書類をすぐに手に取る大樹クン。

「ありがとうございます、わざわざお休みの日だったのに――」

 い、良いのよ!
 これで仕事は終わりよね?
 さあ、早くリビングまで上がってちょうだい!
 そして、キレイに片付いた部屋を、私の努力の結晶を見て!!
 
 それから、二人でティータイムにしようよ!

……そのために頑張ったんだから!!
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