28才の初恋
 ターゲットは私の席の斜め前に居る。

 『新人さんだから、課長の前の席のほうが良いですよねぇ?』、小島のナイスな判断によって私の標的――大樹クンは私のほぼ真ん前に座っている。
 その端整な横顔を眺めているだけでヨダレが出て……いやいや、確かにコレだけでご飯を軽く三杯ぐらいはオカワリできそうなほど美味しそう……じゃなくて。

 と、とにかくだ!これから私はその端整な横顔を携帯のカメラでゲットしなくてはいけない!!

 この作戦が成功すれば、私は携帯を開けば常に大樹クンの顔をガン見できるという素晴らしい環境を手に入れることが出来るのだ!
 携帯を取り出し、カメラ機能のボタンを押す。
 ここからは……隠密行動が要求される。
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