28才の初恋
「そうだ! 温泉とかどうですかぁ!?」

 ほうほう、温泉ね。
 なかなか良いアイデアだ。
 少し歓心していると、小島が言葉を続ける。

「こないだぁ、雑誌で良さげなトコが載ってたんですよぉ。露天風呂とか、あと混浴とかも……」

――な、何ぃ!!こ、混浴!!

 湯船に入ってゆっくりしてたら、浴場の扉が開く音がして……そっちを見たら大樹クンが腰にタオルを巻いて入ってきて。
 慌ててタオルを身体に巻いて顔を伏せていたら、いきなり大樹クンが私の横に来て。
 そのまま肩を抱かれて、湯船の中でキス……とか!

――良い!!ソレ良い!!めっちゃ良い!!

「課長? 聞いてますぅ?」

 ハッ!小島の声が聞こえないほどに妄想に集中してしまっていた。
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