28才の初恋
「いや、そんな事は無いんですよ」
大樹クンがそう言いながら手元にジョッキを引き寄せ、ビールを一口飲み込む。
ゴクッという音を立てて喉を鳴らし、それに続いてもう一度タバコを吸い込む。
――ああ、何をやらせても絵になるなあ……。
きっと、これまでも同じ事を思った女は多数いるのだろう。
こうやって大樹クンと二人きりで飲みに来て、正面からこの光景を独り占めにした人間が私の他にも居る……そう考えるだけで、見たことも無い人間に対する嫉妬がメラメラと燃え上がり、ちょっとした殺意まで芽生えそうになる。
――私って、こんなに独占欲が強かったのか?
本当に驚くばかりだ。これまで付き合った人に対しても、こんな気持ちを抱いたことは無い。こんなに誰かを好きになったのも、これだけ何もかもを知りたい気持ちになったのも……大樹クンが初めてなのだ。
大樹クンがそう言いながら手元にジョッキを引き寄せ、ビールを一口飲み込む。
ゴクッという音を立てて喉を鳴らし、それに続いてもう一度タバコを吸い込む。
――ああ、何をやらせても絵になるなあ……。
きっと、これまでも同じ事を思った女は多数いるのだろう。
こうやって大樹クンと二人きりで飲みに来て、正面からこの光景を独り占めにした人間が私の他にも居る……そう考えるだけで、見たことも無い人間に対する嫉妬がメラメラと燃え上がり、ちょっとした殺意まで芽生えそうになる。
――私って、こんなに独占欲が強かったのか?
本当に驚くばかりだ。これまで付き合った人に対しても、こんな気持ちを抱いたことは無い。こんなに誰かを好きになったのも、これだけ何もかもを知りたい気持ちになったのも……大樹クンが初めてなのだ。