28才の初恋
 だ、だって。どうしても大樹クンとランチしたかったんだもん!
 小島も誘ってくれないんだもん……まあ、小島は私が仕事をしながら昼食を取る普段の行動を知っているので誘うワケもないんだけど……。

 気が付いたときには自分も一緒にランチに行くことを宣言していたワケです。
 ポカンとこちらを見る視線を受けるうちに、時計の針が十二時を指す――。

「じゃあ、ランチに行きましょ」

 唖然としている課員を前に、ニッコリと笑顔を見せ『何もなかったよね?』的なオーラを強引に漂わせながらランチに出発を促す。
 
 うん、私も強引かと思うけど。
 このままだと昼休みが終わるまでみんな呆けてそうだし。
< 34 / 518 >

この作品をシェア

pagetop