28才の初恋
――えーと、化粧水は……と。

 かなりの商品数が土産ものと一緒にところ狭しと並んでいる。
 雑誌にお菓子、酒、ジュース、下着なんかも置いてある。観光地にはお決まりのお土産ものである木刀も模造刀なんかまである。
 これだけの品揃えならば便利なのだろうけど、目的の商品を探すのに一苦労というのも事実なわけで。

 棚の方を見ながら歩いていると――『ボフッ!』、そんな音を立てて、私は誰かとぶつかってしまった。

「いっつうー……」

 ぶつかった相手が私よりもかなり背の高い人だったようで、その人の身体で自分の顔面を強打してしまったようだ。
 鼻の辺りがジンジンする。

「すいません。……あ! 課長!!」

 鼻をさすりながら、ぶつかった相手を見ると……そこには大樹クンが立っていた。
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