28才の初恋
「あ、うん。みんなに迷惑かけちゃってゴメンネ」

 ぶつかって、乱れた髪を直しながら答える。
 しかし……それにしてもエエ眺めや……。

 湯上りで少し上気した肌の色。
 浴衣のスソから見えている素足。
 普段とは違う髪形。
 ああ……温泉を選んで本当に良かった!!

 『バサッ!』

 あ、しまった。
 大樹クンに見とれて、手に持っていた替えの下着とタオルを落としてしまった。

「あっ!」
「ああっ!」

 大樹クンと私、ほぼ同時に声を上げる。
 私も屈んで落とした物を拾おうとしたのだが、大樹クンの反応の方が一瞬だけ早く、私の下着に大樹クンの手が触れている。

「あ、ば、あばばばばば!!」
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