28才の初恋
 売店内に私の意味不明な叫びが響く。

「ど、どうしたんですか!?」

 私の下着を手に持ったまま、大樹クンが上目遣いでコッチを見ている。
 うわ!万が一の備えで可愛い下着を持って来てたけど……触られると恥ずかしい!!

 この恥ずかしさは一体何なんだろうか?
 多分、直に胸やお尻を触られるよりも恥ずかしいぞ!
 既に頭の中が真っ白になりかけている。

――さらに。

 私は立った姿勢で、大樹クンはしゃがんだ姿勢である。
 つまりは私が大樹クンを見下ろしているという珍しい姿勢で……大樹クンの鎖骨から胸板が……乳首まで浴衣の襟元から見えとるっ!!
 これは……もう我慢の限界だ。

――五、四、三……二、一……。ブフォッ!

 カウントダウン終了と同時に鼻血が噴出した。
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