28才の初恋
 いや、小島のスッピンを見たことがなかったけど、こんな顔をしてたのね。
 普段の小島は大人びた顔をしていたので、こんな童顔で小島の声を出されてもまるで気が付いてなかった。

 ともかく、これでマトモに話せる。

「ああ、うん。ちょっとミスったよ、ごめんね」

 私も身体を洗いながら、小島に軽く謝っておく。
 私が居なかったことで、それなりにみんなに心配をかけてしまっただろう。
 ついでに、私が居なかった間の行動について小島に聞いてみる。

「観光は回ってきたの?」

 まあ、観光といっても温泉地だ。
 そんなに回る場所もなかったと思う。
 それゆえに、こうやって早い時間からみんな温泉に入っているわけだし。

……が、それなりに楽しいことはあったようだ。
< 367 / 518 >

この作品をシェア

pagetop