28才の初恋
「――ハイ、どーぞぉ」

 冷えた『スッポンエキス入りつぶつぶドリンク』を私に手渡してくる小島。
 こんなに私のツボをつくジュースを選択するとは……やはりこの女はあなどれない。

「あ、ありがとう……」

 小島からジュースを受け取り、それを両手に抱える。
 ノドはカラカラなのだが……さっきの勝負の結果が気になって、フタを開ける気にさえなれない。

「プハァー!!」

 隣では小島が気持ちよさそうに自分のスポーツドリンクを飲み干している。

「ヘヘヘ、課長ぉに勝っちゃいましたねぇ」

 追い討ちをかけるように、嬉しそうな顔で笑う。
 ここまで私を痛めつける……小島の目的は何だと言うのだろうか?
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