28才の初恋
「仕事も、スポーツも、恋愛も……課長ぉには勝てないですからねぇ」

 その言葉にハッとして、顔を上げて小島の顔を見る。
 小島は私をジッと見ていて、顔を上げた私をニヤーっとした顔で見返した。

「努力賞です」

 そう前置きして、小島が笑顔で言い放つ。

「私と池田くんは付き合ってなんていませんよぉ。課長ぉがモタモタしてるなら取っちゃいますけどねぇ」

――ええ?

 小島と大樹クンは……付き合ってないの?
 そ、それに……私が大樹クンを好きだってことが小島に……バレてる?

「な、な、な……」

 『何を言ってるのよ』と口にしたいのだが、言葉にならないほどに動揺してしまっている。
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