28才の初恋
 小島がトイレに行った隙に、ヌーブラ状態になっていたきーちゃんをカバンの中に隠す。

「おとなしくしてなきゃダメよ!」

 不満そうに身体をブルッと震わせ「ギギギギ……」と不満げに返事をするが……本当に大丈夫かな?
 とはいえ、そろそろ夜の宴会時間になってしまう。
 きーちゃんを見張っておくわけにもいかないし……。

 酒を飲むような席だし、食べ物は出てくるし。
 とてもではないが宴会場には連れて行けない。
 カバンのチャックをきちんと閉めておけば……まさか出てこれないだろうとは思うが。

――我がペットながら、生態の知れない生き物だけに完全に安心できないのが悲しいところだ。

 ともあれ、きーちゃんが無くなり、若干小さくなった胸を誤魔化すためにパットを四枚ずつ胸に敷き詰める。

――ま、まあ念のためってことで。
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