28才の初恋
 せっかく打ち解けてきているのだ。
 ここで微妙な空気を作って、後戻りのようなことになるのは避けたい。

――ならば……裸を見られるのが恥ずかしいなんて言ってる場合じゃない!!

小島流小悪魔式恋愛術、その八十四条だ!

『男の子に、たまには自分のキワドイ姿を見せちゃえ! 特別な人だって思わせることが重要だよ!』

――な、何か違うような気もするけど……!

 ゆっくりと大樹クンに近付いて行く。

 きっと、この風呂場の空気が緊張してしまっているのは、大樹クンが私の裸を見てはいけない、という風に思い込んでいるからに違いない。
 いや、そりゃあ確かに今は見られたくないとは思ったけど……大樹クンとの関係が悪化するというならば隠す理由なんてない。

 いいや!むしろ、大樹クンにならいつでも見せれる!
 やるで!ワイはやったるでー!!
< 437 / 518 >

この作品をシェア

pagetop