28才の初恋
第2章『変化』

2-1

 大樹クンが転勤してきてから一週間が経つ。
 彼もすぐに営業二課に馴染んで、仕事ぶりもいっぱしになってきた。
 
 時間の経過と共に、私も何とか落ち着きを見せることも出来るようになってきた。
 仕事を十五分やったら自分へのご褒美に大樹クンを五分見つめる。
 このローテーションを実施することで仕事に支障をきたすこともなくなった。

……仕事と大樹クンを両立できている自分を褒めてあげたい。

 そんな感じで、最近は会社に行くのが楽しくて仕方ない。
 朝の化粧にも気合いが入るし、いつでもツインテールに出来るようにポーチにはゴムを二つ常備してある。

 家から駅までの足取りも……自然とスキップになる。
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