28才の初恋
大樹クンはオフィスにカバンを置いてから、「報告書、昼メシ食べてからで良いですかね?」と、聞いてくる。
もちろん、急ぐ理由も無いので「良いよー」と自分も『タコ焼きサンド』を頬張りながら答える。
「――じゃあ」
と、大樹クンはカバンからコンビニで買ってきたと思われるお弁当を取り出す。
私が自分で料理が出来るなら、ぜひとも大樹クンにお弁当を作って来てあげたいものだが……生憎、私の家庭科の成績はそれはそれは下の方でして。
高校の時の家庭科の調理実習では『酢豚』を作ったのだが、私の班にいた人間の前歯が全滅するような、通称『ダイヤモンド酢豚』と呼ばれるシロモノを作ってしまったこともある。
――おかげで、高校の時のアダ名は『クラッシャー杏子』だったなあ。
そんな訳で、私はここ十年、料理をしたことがない。
もちろん、急ぐ理由も無いので「良いよー」と自分も『タコ焼きサンド』を頬張りながら答える。
「――じゃあ」
と、大樹クンはカバンからコンビニで買ってきたと思われるお弁当を取り出す。
私が自分で料理が出来るなら、ぜひとも大樹クンにお弁当を作って来てあげたいものだが……生憎、私の家庭科の成績はそれはそれは下の方でして。
高校の時の家庭科の調理実習では『酢豚』を作ったのだが、私の班にいた人間の前歯が全滅するような、通称『ダイヤモンド酢豚』と呼ばれるシロモノを作ってしまったこともある。
――おかげで、高校の時のアダ名は『クラッシャー杏子』だったなあ。
そんな訳で、私はここ十年、料理をしたことがない。