28才の初恋
帰郷して三日、あっという間に時間は過ぎてしまった。
早いうちに、話を受けるにしても断るにしても――転職の決断をして、この休暇を楽しもう。そう思っているのだが、なかなか決断するに至らない。
元来、文句を付ける余地すら無い程に好条件の転職である。
『迷うことなく受ければ良いやん!』と呟く今まで通りの仕事を愛する私が居る。
その呟きに『そうだよね……ヨシ! この話、きっちりと進めてもらおう!』と、決断を下そうとすると――『大樹はんのことはどうするんや! アンタの生涯を賭けて愛する男はんでっしゃろうが!』と、大樹クンを溺愛する私が怒鳴りつけてくる。
こうやって、二人の私のせめぎ合いが続き、結論は常に持ち越しになってしまっていた。
仕事を取るのか、それとも大樹クンを取るのか――いつぞやもこんな事で悩んだ覚えがあるが、今回はそれ以上に難しい悩みになってしまった。
早いうちに、話を受けるにしても断るにしても――転職の決断をして、この休暇を楽しもう。そう思っているのだが、なかなか決断するに至らない。
元来、文句を付ける余地すら無い程に好条件の転職である。
『迷うことなく受ければ良いやん!』と呟く今まで通りの仕事を愛する私が居る。
その呟きに『そうだよね……ヨシ! この話、きっちりと進めてもらおう!』と、決断を下そうとすると――『大樹はんのことはどうするんや! アンタの生涯を賭けて愛する男はんでっしゃろうが!』と、大樹クンを溺愛する私が怒鳴りつけてくる。
こうやって、二人の私のせめぎ合いが続き、結論は常に持ち越しになってしまっていた。
仕事を取るのか、それとも大樹クンを取るのか――いつぞやもこんな事で悩んだ覚えがあるが、今回はそれ以上に難しい悩みになってしまった。