28才の初恋
気が付くと、私はいつの間にか鴨川のほとりを四条まで歩いてきてしまっていた。
このまま河川敷を上がり、京阪電車に乗れば四条から実家のある宇治までは電車で一本で帰れる。
元々が散歩のための外出であるし、外はもう日も落ちて辺りは暗くなってしまっている。
予定通り、そのまま実家へ帰ろう――そう思い、京阪の四条駅を向かう道に進路を取ろうと一旦は歩きだした私の脳裏に……ある思いが浮かんだ。
『大樹クンに……会いたいな』
その思いは――純粋で、強くて。
否定する理由を考えるよりも早く、私の行動を支配してしまった。
約束も何も交わしていないのに――それでも、大樹クンに会いたい。
衝動に近い感覚に衝き動かされ、私の身体は……そのまま京阪の駅ではなく、大樹クンの住む場所へ繋がる阪急の駅がある四条烏丸へと向かっていた。
このまま河川敷を上がり、京阪電車に乗れば四条から実家のある宇治までは電車で一本で帰れる。
元々が散歩のための外出であるし、外はもう日も落ちて辺りは暗くなってしまっている。
予定通り、そのまま実家へ帰ろう――そう思い、京阪の四条駅を向かう道に進路を取ろうと一旦は歩きだした私の脳裏に……ある思いが浮かんだ。
『大樹クンに……会いたいな』
その思いは――純粋で、強くて。
否定する理由を考えるよりも早く、私の行動を支配してしまった。
約束も何も交わしていないのに――それでも、大樹クンに会いたい。
衝動に近い感覚に衝き動かされ、私の身体は……そのまま京阪の駅ではなく、大樹クンの住む場所へ繋がる阪急の駅がある四条烏丸へと向かっていた。