28才の初恋
「うわー、気持ち良いですねー!」
空中庭園に出るなり、大樹クンが気持ち良さそうにそう言いながら背伸びをする。
地上から一七〇メートル離れた空中庭園は、暑さから解放され涼しい風が吹き抜けている。
広がる風景は、まるで宝石を散りばめたように遠くの灯りまでがハッキリと見える。
この美しい夜景を前に――私の緊張は最高潮に達していた。
心臓はこれ以上鼓動を続けると破裂するのではないかという程に高鳴り、ノドは声を上手く出せないほどに乾いている。
手足はこれだけ心地よい気温の中であるにも関わらず、小刻みに震えが止まらない。
視界もその震えに呼応するかのようにユラユラと揺れて、焦点が定まらない。
大樹クンには、その様子を悟られないように、夜景を見ている彼の背後にそっと回る。
だが、気後れしている場合ではない。
深呼吸を……一回……二回。
少しでも気持ちを落ち着かせる。
――いよいよ、私の初めての告白だ。
空中庭園に出るなり、大樹クンが気持ち良さそうにそう言いながら背伸びをする。
地上から一七〇メートル離れた空中庭園は、暑さから解放され涼しい風が吹き抜けている。
広がる風景は、まるで宝石を散りばめたように遠くの灯りまでがハッキリと見える。
この美しい夜景を前に――私の緊張は最高潮に達していた。
心臓はこれ以上鼓動を続けると破裂するのではないかという程に高鳴り、ノドは声を上手く出せないほどに乾いている。
手足はこれだけ心地よい気温の中であるにも関わらず、小刻みに震えが止まらない。
視界もその震えに呼応するかのようにユラユラと揺れて、焦点が定まらない。
大樹クンには、その様子を悟られないように、夜景を見ている彼の背後にそっと回る。
だが、気後れしている場合ではない。
深呼吸を……一回……二回。
少しでも気持ちを落ち着かせる。
――いよいよ、私の初めての告白だ。