28才の初恋
 大樹クンは課長待遇として新会社に迎え入れられており、またも私の部下として働くことになった。

 まあ、家に帰ると立場は逆転して……もう、その入れ替わりが楽しくて仕方なかったりするんだけどね……ふひひひひひ。

「部長、決裁をお願いします」

 大樹クンが私に書類を差し出してくる。
 私がその書類に目を通していると――大樹クンが耳打ちしてきた。

(杏子……仕事中はボーっとしちゃダメだろ? 今日は……家に帰ったらオシオキだからね)

――き、キャーっ!!はにゃー!!

 お、オシオキってどんなことをしてくれる……じゃなくて、どんなことをされちゃうの!?

 アンナことやコンナこと!?
 それとも……ヤバい!また鼻血が出そうだ。
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